ディテイル。2016年02月05日 20:40

チョット古い話題・・・
年末のボクシングが凄かった。

八重樫東選手
獲りました3階級制覇!!!。あれだけ壮絶な殴り合いをして、最後にハグしてお互いの健闘を称え合う姿は美しい。ジェラシイを感じるくらいに。
 負けたほうの若い旧チャンピオンが、マットに膝をついて、リングに上がった八重樫選手の長男の頭をなでて、その目線までかがんで、何事かを語りかけていた。
 もしこの長男君に八重樫選手の血/DNAが受け継がれるとしたら、また新しいストーリイが生まれるのかも知れない。男の子は思春期になると化けることがあるから。いきなり覚醒したりして。

内山高志選手
左ボディブロー1発で、チャレンジャー悶絶KO、ほとんど気絶状態、というのは初めて観た。顔面打たれて気絶、というのは良くあるけれども。
 私ゴトだが、内山選手にアコガレて、同じスーパーフェザー級(57.153 - 58.967kg)まで減量してみた。62Kgから約5Kgほど。食べる量を減らすと内蔵の負担が軽くなって、体調維持もラクだし、いつもやってる心肺トレーニングなども相当ラクになった。
 ・・・というより、これまでオレは、お腹の周りに5Kgもの「お肉のウエイト」を乗っけて動いていたのかっ・・・と愕然とした。皆さんにもオススメ。

井岡一翔選手
この試合も凄かった。相手は歴戦の元チャンピオン。11回のボディブロー、1発1発に「チャンピオンはお前じゃない、オレなんだっっ!!!」という気持ちが乗っていたように感じた。それで相手の気持ちが折れた。最後はハートの強さなんだな。

井上尚弥選手
圧巻だ。解説の村田選手が言ってたけど、相手の左ガードの上から右フック叩きつけてダウン獲る、というのは50Kgソコソコの軽量級では見たことない。動画を何度見ても、クリーンヒットしてない。ガードされている。
 具志堅さんも「2階級上、あるいはバンタム級でも上のレベルのパンチ力」と言ってた。
 いや~スゴイ。ロマゴンとの対戦があればスーパーマッチだけど、それはないだろう。井上選手は育ち盛りの22歳でこれから身体が大きくなるし減量もきつくなる。故にさらに上の階級を狙うのだろう。ローマンゴンザレス選手はミニマム級から上がってきてフライ級なので、この二人が相まみえる機会はなさそう・・・。この対戦、観てみたいが・・・。
 八重樫選手の「ロマゴン評」がまた深い。「強い、というより繊細、なんです」だと!!!。KO負けを喫した相手を「繊細」と表現するとは・・・。拳を交わした人だけにしか語れないものなんだろう。

その村田諒太選手、先日の上海でのリング、KOラウンドの2回、終了間際残り30秒、相手のパンチもらって「ニヤっ」て笑ってる。You Tubeの動画でご確認ください。この修羅場で「笑う」というのは、いったい何なんだろう???
 そして同世代、同時代、同クラスに、鬼のように強いゲンナディ・ゴロフキン選手が存在する・・・。運命というか、宿命というか・・・。

その他。
ハッキリ言って大嫌いな朝日新聞だが、朝の新聞小説がボクシングをテーマ/モチーフにしていて興味深く読んでいる。題して「春に散る」 沢木耕太郎さん。
 かつてカシアス内藤選手をモデル/モチーフにした珠玉の名作「一瞬の夏」があった。

さて「春に散る」は、本日2/5の朝刊で、前半部分の山場を迎えております。老ボクサー4人(いずれもかつての世界ランカー級)に、4人の若い不良どもが絡んできました。一触即発状態。

サテこれからの予想なんですが、中田春彌さんの挿絵、不良組4人の一番後ろにいる青年、この人が章タイトルの「新しい人」なんじゃないかな、という予感。他の3人はいかにも不良っぽく描いてあるけど、一番後ろの青年はちょっと正義のイケメン風だ。

この青年がこの喧嘩騒ぎのあと、老ボクサー4人に弟子入りして、世界をめざす・・・・。でも沢木耕太郎さんはたぶんハッピーエンドにはしない。ビターエンドで。
 やはり、かつての老ボクサー4人と同じように、世界戦で負ける。そして4人の老ボクサーは、最後の仕事を終えて散っていく・・・

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・・・最近、自分がどんな「ディテイル」を観ているか、を自分で観察してみた。自分が観ているディテイルは、自分のセンサーが働いて反応している、ということなので、自分にどんなセンサーがあるのか、つまり自分というものの掘り下げ作業ができるように思う。

ちなみに小職の場合、グライダーの操縦は全くダメだ。アレキサンダー・シュライハーKa6EとKa6CRの舵の効き具合、舵感の違いが全くわからなかった・・・・悲しい。

 「対象」のディテイルが理解できない、AとBの区別がつかない、微妙な味わいを感じとることができない・・・のなら、そこに時間や努力を投入するのは無駄だ。努力して、続けていればいつか判るようになる、というものでもあるまい。
 1回死んで、転生して、次の人生でそのセンサーを天賦のものとして与えられるのを期待する・・・他はないのだろう。

そこを取捨選択していかないと無駄な人生を過ごすことになる。

ああ。

早春の季節。
この季節は素敵だ・・・・。裁判の準備なんかして、時を過ごしていてはもったいない。