季節は初夏へ・・・戦う理由2016年05月20日 11:50

あと1か月もすれば梅雨入り、25BのハンガーIN。その後は、またあの炎熱地獄、室内気温43度環境下の羽布修理作業が待っている・・・と思うと、憂鬱である。自分も、もう若くはない。

・・・ということで、GWは10日連続、延々とハンガー天井裏の断熱工事。
これ以上は考えられない、というレベルの天井断熱工事をDIY敢行。

ジョイホンにて断熱材大量購入。何回も往復・・・。こういう時、我がエクストレイルはホントに頼りになる。フルフラットシート、3*6(サブロク)尺建材がこんなにたくさん載ります。これだけの理由でこの車を選択したと言っても過言ではない。現行新型エクストレイルはフラットシートでなくなり、しかも36尺コンパネが載らないようです。大変残念・・・。

脚立に登り、天井裏の2*4桁間を採寸し、断熱材をカット。

脚立に登り、ひとコマづつはめ込んで行く。何回、脚立の上り下りをしただろう?

断熱の基本は遮熱。

断熱材の下にアルミ遮熱シートを中華タッカーで張り込んで、固定していく。上腕が疲れる。

その下に9㎜OSB/F☆☆☆☆コンパネを乗せ、2*4桁に固定する。
つい数年前まで、3*6尺のコンパネ1枚まるごと、天井裏に自力で上げる腕力・背筋力があったのに、今はもうそれが出来ない。確実に老化している。1/2にカットして半分づつ乗せるしかない。

スタイロフォームにさらに1枚、アルミ遮熱シートを貼ったパネルを20枚くらいは作らねば。

それを天井裏OSBコンパネの上に載せていく作業。空気層の確保が大切だ。

かようにして屋根野地板裏から順に・・・
1 スタイロフォーム断熱材
(3㎝の空気層)
2 アルミ遮熱シート
(40㎝の空気層)
3 アルミ遮熱シート
4 スタイロフォーム断熱材
5 9㎜ OSBコンパネ

・・・という5重の断熱構造になる。

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時折、没頭する作業の中で、フト、なんでオレはこんなことをやっているのだろうか?と自問自答する。
 そんなとき、朝日新聞朝刊小説「春に散る」を思い返している。4月24日号。

仁さんが翔吾に説く。
「ボクサーがトレーニングをするのは、リング上で相手より「自由」に振る舞うためだ。でもそれに限らない。なんだってそうだ。シャツのアイロンかけでも、料理でも、自分でトレーニングしてできるようになれば、それだけ自由を手にすることができる」

至言であると思う。

ハンガー断熱工事を、自分でDIYでできれば、工務店に依頼する必要は無い。施工や材料について打ち合わせをする必要も無い。工事代も払う必要がない。「こうしたい」と思う自分の希望にストレートにしたがうまま、ジョイホンに行って材料を仕入れ、自分で施工すれば良いだけのハナシだ。

それによって時間を失っている?
いや、そうではなかろう。現実の作業、営みがオレを鍛える。材料運びと、際限なく繰り返される脚立の上り下りによって。ついこないだまで右足の膝を骨折して不自由だったことも、もはや遠い記憶のよう。

外観からそう見えるとおりに、ただ家を造っているだけ、というのは皮相的なモノの見方かも知れない。本質的には、家を造る、という行為、営みを通じて、「自分を造っている」。そして「自由」を手に入れている。

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手前味噌ですが、「春に散る」展開予想、的中しております。

次郎さんは予想どおり、現役の頃はアッパー打ちの達人。その秘伝の「インサイドアッパー」を翔吾に授ける。 
 翔吾、なんと真拳ジムでのスパーリングで、同門の世界ランカーを相手にそのインサイドアッパーを一閃、ダウンを奪ってしまう。 
 しかし相手を「誘って」打ったそのアッパー、次郎さんの言葉が深い。
「それをやってオレは弱くなった」

自分に楽をすることは、弱くなること。
弱くなる、ということは、自由を失うこと。

生き別れになっている息子に、何かを伝えたい次郎さん。翔吾を息子がわりに、人生を説く。それは沢木さんの我々読者に対するメッセージでもある。

小説の舞台の季節は秋、だろうか?次の冬を迎え、春が訪れたとき、翔吾は、たぶん、この世界ランカーとの「同門対決」を経て、世界の高みに登っていくのだろう。その時には仁さん直伝のクロスカウンターが炸裂するはずだ。
 だけど、その一方で、それと同時に、おそらく仁さんは人生の終焉の時を迎える・・・。

仁さんが自分の最後の時間を翔吾に捧げたとするならば、その翔吾もまた、他の誰かのために、自分の最後の時間を捧げるのだろう。
 そうやって、時間や人は、そして街も歴史もフィールドも変わり続け、そして受け継がれていく・・・。