「これでやっとファルケらしくなりましたね」 ― 2016年10月06日 11:00
機体カバー作業続き。主翼先端部分のミシン掛け補修。
ベルクロ取付け。
できた。
いよいよ今期作業の最終章。ほぼ1日かけてマスキング作業を完了。
何度もマスキングの具合を確認。ここ4ヶ月の作業の総仕上げ、ここでミスがあったら全部おじゃん。
明日使用する機材、材料を確認し、段取りを考え、作業手順をシミュレーションしてから寝る。
翌朝9時、全パーツをエプロンに展開して戦闘開始っ!!!
今回はアッパーカウルと、
アンダーカウルと、
計器アクセスハッチと、
胴体ノーズ両側と、
左主翼端と
「クラブハウスの料金箱のフタ」と(坂嫁から依頼)
・・・以上、6品目をいっぺんに塗装します。
まずは捨て白から。ウレタンホワイトベース、硬化剤はプラスティックマルチ、シンナーは悩んだ末、ノーマルを選択。気温30度を考えるとスーパースロー(超遅乾)となるが、垂直塗り部分があるのでタレ易い。であれば逆に速乾タイプを使うという手もある。しかし仕上がりがややザラっぽくなる。いろいろ考えて、ノーマルを選択。配合率は塗料メーカーの指示書に従い、デジタル計量器を使用。撹拌/混合をシッカリと。
全てのパーツに捨て白を10分おき3回ガン吹き。地色のグレーが見えなくなるまで。今回、レギューレターを使用しなかったら、エア量の調整がムツカシイ。タンク内圧によってガンのエア量設定がコロコロ変わる。やっぱりレギュレータ使用は必須。当然、ミストセパレータも必須。タダでさえ湿度が高く、塗装には不向きの天候なのだから。
↑ここで少しタレてしまい、20分硬化待ちして中研ぎ。♯320→800の耐水ペーパーで部分的に水研ぎ作業・・・
ついでブライトレッドベース。本来はアクセスハッチはノーマル硬化剤、羽布部分はスポイラーマルチ、カウルはプラスティックマルチを使用すべきだが、今回は間をとってプラスティックで統一・・・。
カスカスの下吹きから色づけ、
エプロンをグルグル回りながらガン吹きしていきます。計4回ほど。塗料の計量/混合/撹拌/希釈/濾過→ガン吹き・・・を繰り返す。
塗料硬化前にマスキングを剥がさねばならない。大忙し。これもヒジョーに神経を使う作業。下手を打つと塗装が剥離してしまう。一部、焦って失敗してしまった。
アッパーカウルも。
作業開始から6時間後、戦闘終了。塗装上がりの各パーツを仮組みしてみる・・・。
「いい出来じゃないですか、これでやっとファルケらしくなりましたね」
・・・感無量也。
師匠M田さんの、このひとことに報われた思いであります。
この機体を手に入れてから今年でちょうど10年目。これでようやく師匠との約束を果たせました。長かった。
シャイベ式ファルケSF-25B。現存するフライアブルな個体としては、日本にはもうこの一機が残るのみ。機齢45年。文化財の動態保存活動、と言えなくもない日々が続く・・・
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作業終了後、フラフラしながら工場にあるタンデムファルケの状況を見に行く・・・。さんちゃん、頼むぞ。
少しペースダウンして、6月から始まったこの4か月弱にわたる夏の作業の疲れを癒やしてから、11月の運行再開に向けての耐空検査整備作業に突入する予定・・・。
てなことで。
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