展開に納得がいかない。 ― 2016年07月25日 22:02
過日、小職のラジコンヒコーキの師匠である「N村ラジコン親父」さんの工房を訪問し、グラス張りの見学に行ってきました。
この道55年?凄まじいばかりの作品群であります。
ワコー・クラシックですかね。友人からの依頼でレストア中のようです。
今回は師匠の匠の技、「グラス張り」を見学して参りました。こういうのは機会を逃してはなりません。いつか必ず役に立ちます。
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朝日新聞 朝の連載ボクシング小説「春に散る」
翔吾、世界ランカー6位の大塚選手のスピードに全くついて行けない。
スピードは筋肉の瞬発力だから、これは天性のもの。そこで劣る、というのはキツイ話だ。努力ではどうもならん。
ついにダウンをもらってしまった。
次郎さん直伝、インサイドアッパーを大塚選手に見破られて。
そりゃそうだ。
スパーリングで翔吾からそれをもらって倒されたのが、今回の同門対決のモチベーションなんだから。大塚選手の。
大塚は、あれが来たら、こうやるって、周到に用意してるんだから。スエイでかわされてカウンターの右ストレート。
・・・で、翔吾あえなくダウン。
しかし、だ。
この展開、翔吾なら、とっくのとうに読んでいるだろう。このスピード王、世界ランカー、大塚相手に、スパーリングのときと同じインサイドアッパーが、2度、通じるはずはないと。
しかも、翔吾は山越との実戦、OPBFノンタイトル戦でこのアッパーを繰り出し、山越をKOしているのである。大塚にしてみれば種明かしをしてもらってラッキー、というところだ。大塚がその試合のビデオを取り寄せ、何十回となく繰り返し見てイメトレをしていないはずがない。
「あのスパーリングの時、オレが食らって倒されたアッパーはこれかっ!!!」
ということは、ここで大塚にインサイドアッパーを対応されて、逆にカウンターのストレートをもらうことも、そうであれば、悪ければダウンすることも、翔吾には計算済み、だ。次の展開の伏線にむけて。
さすがに大塚選手、そこまでは読んでいて、無理に距離を詰めない。翔吾の背後に4人の手練れのトレーナーが不気味に存在していることを、嗅ぎつけて、大いに警戒している。まだ何か、隠し持っているのでは???
しかしここに大塚の落とし穴がある。
大塚は翔吾に、スパーリングで倒されている。次郎さん直伝のインサイドアッパーの不意打ちで。だからこのリングで翔吾を倒し返さねば、大塚はこの先へは、つまり世界戦には臨めない。このまま持ち味のヒット&アウェイ、華麗なアウトボクシングで翔吾に判定勝ちしても、大塚は世界ランカーとしてのプライドを取り戻せないのだ。
そこまで読んで、翔吾は大塚を誘う。1度ダウンしたのも、その伏線。敢えて倒れる必要もないのに、相手を誘うためにダウンをすることは、稀にはある。さらに罠をしかける・・・。
だが、大塚は、その誘いに乗るだろう。翔吾、2度目のダウン、3度目のダウン。いよいよグロッキーになった翔吾を見て。大塚、最後は勝負をかけざるを得ない。それが世界ランカーの矜恃というものだ。
しかしそこで待っているのは、キッド直伝のキドニー打ち、ボディフックだ。
大塚の渾身の力をこめたフィニッシュブロー、左のフックを、翔吾、キッドとのサーフィンで体得したダッキングで柔らかくかわしたその刹那、港湾作業で鍛えた体幹の強さ、大塚より一回り大きい、次はいよいよ仁さんと同じウエルターに階級上げという身体から、ウエイトのタップリ乗った左ボディフック、一閃・・・。
・・・大塚は、また倒される。悶絶KO。
明日以降、そんな展開を予想しておりますが、ナニカ?
ちなみに仁さん直伝、必殺のクロスカウンタはまだ出ませんよ。翔吾、まだサワリしか習ってないんだから。それとこのパンチは練習しようがないパンチ、というワケなので。
しかしなあ。小説だから仕方ないけど。こんなふうに秘密練習で体得したスペシャルパンチ1発で起死回生の逆転劇、という展開じゃあなあ。それこそ翔吾は「チャンピオンの中のチャンピオン」にはなれないんじゃないのか。なので、もしこの展開であれば、チョット納得がいかない。
こういう勝ち方で進んでも、その先の展開、つまり小説としての余韻というか、なんというか、この先、翔吾はこんなふうなボクサー人生を歩むのだろう、と読者に含みのあるナニカを想起させる点で・・・。
沢木さん、ソコ、なんとかしてくれませんかね。
実戦、左ボディフック1発で悶絶KOのオミゴトすぎる見本はこんな感じ。
内山選手、ホントにスゲーな。
再起も良し、引退も良し。他人がどうこう、口を挟むようなことではございやせん。
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