人生の残り時間 ― 2014年09月05日 20:18
夏の終わり
「そっとそこにそのままで微かに輝くべきもの」
「決してもう一度この手で触れてはいけないもの」
そんな歌詞をフト想い出したりする、季節になりました。
探していたらいろいろ出てきた。
ノーマルの大根マフラー、20年前に使っていたショートキャブトン
とりあえず手持ちの鉱物油20Wー50で・・・
W3のオイル交換も5年ぶりぐらいだ。スマン!!
ほぼ完成。いつでも車検が取れる状態だが、もう少し完成度を高めたい。
25Bはサフの研磨作業。トップのガン吹きまでもう少し。
「人生の残り時間」
僕に少なからず影響を与えている2人の知人が、偶然にも同じように「人生なんて死ぬまでの暇つぶしでしょ」という趣旨の発言をした。
最近 、僕も素直なので、「それもありかな?」と思い、「暇つぶし的時間の過ごし方」をしばらくの間、実践してみた。
しかし、どうにもこうにも、やはりというか、ヒジョーに居心地が悪いのである。すぐ、こんなことをやっていていいのか?・・・という自問が始まってしまう。
やはり僕は、自分の性能を高めたり、できないことをできるようになるためのプロセスとか、何か自分の中にあるものを掘り起こして育てたり、チョット困難なことを面白がったり、そういうことをやってないと、時間を過ごせないタイプの人間のようである。
初老とも言える当54歳にもなると、「この先の残りの人生をどう過ごすか?」というのは結構重いテーマであり、一生懸命、自分の中にある「何か」を探そうとしてはいるのだが、もうネタ切れのようで、あまりこれと言ったモノが見つからないのが、ちょっとツライ。
逆に言うと、今やっていることがどれもこれもちょっと陳腐化しているというか、新鮮味に欠けている、の感あり。
といって物見遊山の旅行とか、グルメとか、まったく興味ないしなあ。ツーリングもねえ。
結局、新しいことが見つからなければ、昔好きだったこと、あるいはそういう状況を追いかけるしかないのかも知れない。「故きを温ねて新しきを知る」ってことかな。
本日はこんなところで。
Should Manとの会話 ― 2014年09月19日 20:23
右Fフォークのダストブーツが破れ提灯だ。旧車の場合、ガムテ/ビニテ補修では車検は通らない、というネット情報を見つけ、交換することにした。リプロ品を購入済み。
オイルパン下のフレームに木材を当ててジャッキアップ、フロントホイールをはずし右フォークを下に引っこ抜く。
インナーチューブは良い状態だが、チョイチョイと極細コンパウンドで磨くのは、これまで5年近く放置してきたことに対する罪滅ぼし。
W3のノーマルブレーキは怖い。雨が降るとノーブレーキだ。いろいろな人がいろいろな対策をやっているが、こればかりはどうしようもない。
そんなこともあって10年ほど前、某ショップに特注したグリメカキャリパーのブレーキ周り。しかしチョット気にくわない。ホースが短い、取り回しもイマイチ、ホース自体のグレードもあまり良くなさそう。
そんなこともあって10年ほど前、某ショップに特注したグリメカキャリパーのブレーキ周り。しかしチョット気にくわない。ホースが短い、取り回しもイマイチ、ホース自体のグレードもあまり良くなさそう。
その結果、ホースのバンジョー接続部が疲労して外皮にクラックが発生、わずかにフルードが漏れる。12年の経年劣化もあろうが。マイナスドライバーの先の部分。これじゃ車検は通らん。
ここから先がちょっとややこしく、従来ホースのバンジョー部は厚さ10㎜、他方、5年前に購入したままストックしていたデイトナ製ホースは8㎜だ。つうことはチョイ短めのバンジョーボルトが必要。しかも三つ叉側のネジピッチは「男カワサキ」仕様なもんで1.25、グリメカ側は1.0。上下でピッチの異なるボルトが必要だ。どうしたもんかな、と考えつつ工場に遊びに行くと、M田師匠が「柏のライコランド、行ってみれば」。その手があったか。前から行こう行こうと思っていたが、今回、初見参。
親切な店員さんといろいろ協議し、ホース現物も持参して問題なくバンジョーボルト4本をゲット。グリメカ用ではなくブレンボ用ではあるが、ネジ代は8㎜くらいは確保できるのでまあ良かろう。
ホースの取り回しと長さはこんな感じ。長くもなく、短くもなく。サス・ストロークに対してちょうど良い感じ。
トルクレンチはトーニチの「モトトルク」。バイク専用のトルクレンジに特化した、我々バイクいじり御用達の便利なトルクレンチだ。今回のトルクは20Nm。ここは諸説あるもライコランドのベテランとおぼしき整備さんに聞いたところ「ウチはステンのバンジョーボルトは20でやってる」と即答したのでそれで行くことにした。こういうところはメーカー指定などよりも現場の経験がモノを言う。そしてあくまで自己責任である。
ホースが動いたりどこかと擦れたりしないようフェンダー補強板のネジにとも締めして固定した。某工場から有償調達したヒコーキ用のホースクランプ(MS)を使用。秋ちゃんありがとうね。
フルードを充填し、エア抜き。エア抜きは今回、いろいろ試してみた。ワンマンブリーダ(逆止弁付き)とか注射器とか。夭折した後輩の、形見の道具なのである。
写真はエア抜きを手伝ってくれた新進気鋭の航空整備士、さんちゃん。
「Should Man との会話」
(状況設定)
大学4年、夏の終わり。
自宅前の路上、道路幅2.5m、そこが僕の「工場」。
アスファルトは油だらけ。
スパナやメガネレンチ、ドライバ、スリーボンド1212、プラハン、剥がしたガスケット、交換したボルト&ナット&ワッシャ、取り外した旧ピストン、そのリング、ピストンピンサークリップ、交換したロッカーアームシャフトのOリング、スプレー缶の脱脂洗浄剤、その他おびただしい工具、部品が、地面に敷いた新聞紙の上に散乱している。
スパナやメガネレンチ、ドライバ、スリーボンド1212、プラハン、剥がしたガスケット、交換したボルト&ナット&ワッシャ、取り外した旧ピストン、そのリング、ピストンピンサークリップ、交換したロッカーアームシャフトのOリング、スプレー缶の脱脂洗浄剤、その他おびただしい工具、部品が、地面に敷いた新聞紙の上に散乱している。
僕は、延々、10時間以上、W3のエンジンをバラし、そして組んでいた。
朝4時過ぎ、最後のヘッドボルトをトルクレンチで締め付けた。
朝4時過ぎ、最後のヘッドボルトをトルクレンチで締め付けた。
うっすらと空の闇が、白みつつある。
そこに浮かび上がるW3のシリンダーヘッド。
アルミの地肌が鈍く輝く。
僕はうっとりとして、W3のエンジンを見つめていた。
アルミの地肌が鈍く輝く。
僕はうっとりとして、W3のエンジンを見つめていた。
その時、Should Manが僕に語りかけてきた。
S・・・Should Man
僕・・・僕
******************************************************
S:W3のピストン交換、腰上OH、綺麗に仕上がったね。
僕:うん、仕上がった。
僕:うん、仕上がった。
S:でも、もう、あと半年くらいしか、乗れないね。卒業まで。
僕:そうだな。
僕:そうだな。
S:卒業したら、いよいよ始めるんだね、法律の勉強。
僕:うん、そのつもりだ。
僕:うん、そのつもりだ。
S:バイクは、降りるの?
僕:ああ、降りるよ。
僕:ああ、降りるよ。
S:W3はどうするの?
僕:車検切れのまま、保管しておく。
僕:車検切れのまま、保管しておく。
S:受かるまで?
僕:ああ。そう決めた。
僕:ああ。そう決めた。
S:4年間、卒業までまだあと半年あるけど、悔いなく遊んだかい?
僕:ああ、悔いなく遊んだ。
僕:ああ、悔いなく遊んだ。
S:楽しかった?
僕:・・・それは、微妙かも知れない。
僕:・・・それは、微妙かも知れない。
S:どうして?
僕:君がいつも後ろにいて「悔いなく遊べ」ってメッセージを送るからだよ。
僕:君がいつも後ろにいて「悔いなく遊べ」ってメッセージを送るからだよ。
S:いずれモラトリアムが終わることに、気がついていたんだね?。
僕:ああ。いつも、頭の隅っこにある「砂時計」が気になっていた。
僕:ああ。いつも、頭の隅っこにある「砂時計」が気になっていた。
S:僕が君に寄り添いはじめた、あの17歳の秋の日から?
僕:そうだ。僕は入院していて、ベッドに寝ながら秋の高い空を見ていた。気づいたら「砂時計」を持った君がいたんだ。
僕:そうだ。僕は入院していて、ベッドに寝ながら秋の高い空を見ていた。気づいたら「砂時計」を持った君がいたんだ。
S:それだと、なんだか、遊ぶのも、Shouldみたいだね。
僕:そうだな。いつでもなんでも「べき」だ。
僕:そうだな。いつでもなんでも「べき」だ。
S:これからの浪人生活、やっていく自信ある?
僕:あるよ。
僕:あるよ。
S:おや、大した自信だ。その根拠は?
僕:オレほど4年間、遊び倒した受験生はいないだろうからね。
僕:オレほど4年間、遊び倒した受験生はいないだろうからね。
S:なるほど・・・。
僕:ああ。蓄積されたエネルギー量が違うよ。
僕:ああ。蓄積されたエネルギー量が違うよ。
S:正負の法則だね。
僕:そのとおりだ。一方に極限まで振れれば、あとは逆に振れるだけ。
僕:そのとおりだ。一方に極限まで振れれば、あとは逆に振れるだけ。
S:・・・
僕:・・・
僕:・・・
S:もうすぐ、そのモラトリアムが、終わるね。
僕:ああ。終わる。
僕:ああ。終わる。
S:夏も、終わるね。
僕:ああ。夏も終わる。
僕:ああ。夏も終わる。
「頑張れる性格」もギフト ― 2014年09月28日 20:21
W3、ようやくリリース。ひととおりの整備を完了し、お迎えの車検屋さんのトランポに積まれ、車検へと旅立ちました。
・・・と、いうことで25Bの整備生活に戻ります。
サイドキャノピー、トップ塗装完了。ボチボチの仕上がり。
マスキングを剥がすと、こんな感じです。
胴体内部に3m長の塩ビパイプを突っ込み、それと掃除機を連結して胴体内部のクリーンUP作業。
胴体と主翼の入れ替え作業。
主翼は前回作業から2年を経過して、このようなペイントクラックが5,6カ所発生。
ダブルアクションでクラックを全部削り、クリアラッカーを塗る。そのほうがパテが乗りやすい気がする。作業範囲は広げない。ミニマム修理を心がける。
パテ盛り・・・
「頑張れる性格」もギフト
朝日新聞は大嫌いだが、購読は止められない。たまに、「おお、これは!」という社外の人の特別寄稿があってその人選が実に絶妙であり、その寄稿文がとても滋味深いことが多々あるからである。
素粒子とか社説とか、朝日主管のものは全て底が浅く、読む前に何が書いてあるか簡単にわかってしまう類いのものなので、全部読み飛ばしますが・・・。
先日は小説家の天童荒太氏の寄稿があって、要旨としては「頑張れる性格もギフト」というもの。頑張って成功した人は、ついついそうでない人を「もっとガンバレ、頑張れないのは人として足らないよ」と責めがちだ。しかし、人によってはガンバレない人も多々いるわけで、責めてはいけない。頑張れる人も、それは「自分」が頑張っているのではなくて、ご先祖、親、「摂理」様、神様から「頑張れるタレント」をギフトされているだけにすぎない・・・というのである。つまりは背が高いとか、目が良いとか、鼻が効かない、というのと同じレベルのハナシであって、頑張って成功した人も、もちっと謙虚になりなさいよ、という趣旨でした。
本日は以上・・・。
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